Travel Trade
OTA(オンライン旅行会社)Online Travel Agency
Online Travel Agentの略。店舗を持たず、インターネット上で宿泊・航空券・体験・交通などの予約と販売を行う旅行会社。Booking.comやExpediaのような総合型と、ViatorやGetYourGuide、Klookのような体験特化型がある。
この用語の要点
- 国の手引きでの定義は「インターネット専業のオンライン上で予約・販売を行う旅行会社」
- 宿泊・航空券まで扱うオールラウンド型、体験などに特化した特化型、民泊や体験を仲介するシェアリングサービスの3つに分けて考えると整理しやすい
- 世界中に24時間販売できる一方、販売実績に応じて15〜25%程度の販売手数料がかかり、似た商品との比較にさらされる
- 掲載には各OTAの審査があり、申請から掲載まで少なくとも1か月程度を見込む
- 短時間・手頃な価格・汎用性の高い体験はOTA向き。高価格・長期滞在・オーダーメイド型は旅行会社経由が向くとされる
OTAとは
OTAは「Online Travel Agent(またはAgency)」の略で、インターネット上で旅行の予約と販売を行う旅行会社のことです。国土交通省中部運輸局の『訪日外国人旅行者向け 観光コンテンツ販路構築の手引き』(観光庁サイトに掲載)では「インターネット専業のオンライン上で予約・販売を行う旅行会社」と説明されています。
旅行者はOTAのサイトやアプリで検索し、比較し、その場で予約と決済を済ませます。地域の観光事業者から見ると、OTAは自分では届かない世界中の個人旅行者(FIT)に、24時間365日商品を並べてくれる売り場です。
訪日旅行者の多くは、航空券や宿泊を自分で個別に手配する個人旅行者です。こうした旅行者が旅マエ・旅ナカに体験を探すとき、検索の入口になるのがOTAです。
OTAの3つの分類と主なサービス
同じ手引きでは、OTAを取り扱う商品によって3つに分類しています。
| 分類 | 主な取扱い | 主なサービスの例 |
|---|---|---|
| オールラウンド型 | 宿泊や航空券の手配から、体験などの付加サービスまで | Booking.com、Expedia、Agoda、Trip.com |
| 特化型 | 体験・アクティビティ・入場券などの付加サービスの予約 | Viator、GetYourGuide、Klook、KKday |
| シェアリングサービス | 民泊・体験・移動手段などの仲介 | Airbnb |
特化型の中でも得意な市場が違います。手引き(2025年3月時点の情報)では、GetYourGuideはドイツ発で欧州のユーザーが多い、Viatorは北米・オーストラリアが中心、Klookは香港発でアジアを代表する、KKdayは台湾発でローカルな体験が多い、と紹介されています。
宿泊施設ならオールラウンド型、体験やガイドツアーなら特化型が中心になります。誰に売りたいか(どの国の、どんな旅行者か)から、出すOTAを選ぶのが基本です。
旅行会社・直販との違い
インバウンドの販路は、大きく旅行会社(ランドオペレーター)経由・OTA経由・自社直販の3つに分かれます。
| 販路 | 主なお客様 | 事業者の手間 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 旅行会社・ランドオペレーター経由 | 団体、富裕層、オーダーメイド旅行 | タリフ作成と商談、関係づくりに時間がかかる | NET価格で卸す(差額が相手の取り分) |
| OTA経由 | 自分で検索して予約する個人旅行者 | 掲載ページ作成、在庫と予約の管理、口コミ対応 | 予約ごとの販売手数料 |
| 自社直販 | SNSや自社サイトから来るお客様、リピーター | 予約・決済の仕組み、集客、問い合わせ対応を全部自分で | 販売手数料なし。広告費や決済手数料がかかる |
OTAの強みは、集客と予約・決済の仕組みを任せられることです。手引きでは、自社で予約システムを作らなくてよい、世界中からアクセスがある、販売されなければコストがかからない点をメリットに挙げています。一方で、世界中の商品に埋もれやすく、即時予約が求められるため、旅行者の要望に合わせた組み立てには向かないとも書かれています。
OTAに向く商品・向かない商品
手引きでは、OTAに向くのは幅広い顧客に訴求できる汎用性の高いコンテンツだとしています。たとえば、気軽に参加できる日本文化体験や目新しいアクティビティ、交通手段や宿泊と組み合わせて価値が高まる商品です。
反対に、販路の検討表ではOTAが「不向き」とされる項目として、団体旅行者向け、シニア層向け、富裕層向け、宿泊を伴う長期型、高価格帯、オーダーメイド型などが挙げられています。これらは専門の旅行会社を通じた販売が向く可能性が高いとされます。
また、OTAで申し込みを増やすポイントとして、次の4つが挙げられています。
- 即時予約: 予約がすぐ確定する
- 当日・前日購入: 直前でも買える
- キャンセル料の緩和: とりあえず予約してもらえる
- 在庫の確保: 催行日を増やし、1か月程度以上先まで予約できるようにする
いきなり高価格の商品を出しても売れにくいため、まず手頃な商品で実績と口コミを積み、段階的に高付加価値の商品を加える進め方も紹介されています。
掲載までの流れと準備するもの
- 出すOTAを決める。 狙う国・客層と、各OTAの得意市場を照らし合わせる
- 登録する。 各OTAの公式サイトの登録ページから、事業者情報と商品情報を入力する。商品情報には、プラン名、対応言語、所要時間、最少催行人数、写真などが必要
- 審査を受ける。 OTAの担当者の審査を経て掲載される。審査の結果、掲載されない場合もある
- 掲載後に整える。 予約の受付設定、在庫(催行日と人数枠)の更新、口コミへの返信を続ける
手引きでは、申請から掲載まで少なくとも1か月程度かかると考えて申請するよう書かれています。複数のOTAに出す場合は、在庫を一元管理できる予約システム(OTA連携機能を持つ販売ツール)を使うと、ダブルブッキングを防げます。
掲載ページで差がつくのは、タイトルと写真です。「部屋の写真」「料理の写真」を並べるより、どんな時間を過ごせるかが伝わる写真と、旅行者が検索しそうな英語(例: private、local、authenticなど)を含んだタイトルが効果的です。
よくある誤解
「OTAに載せれば売れる」わけではありません。 OTAは売り場であって、似た商品が多数並びます。手引きでも、掲載しても購入に繋がらない場合が少なくないとされ、その地域でしか体験できない内容、地元のガイドならではの視点など、選ばれる理由を作ることが重要だと書かれています。
OTAと旅行会社はどちらか一方ではありません。 OTAは個人旅行者、旅行会社は団体・富裕層・オーダーメイド旅行と、届くお客様が違います。両方に出す場合は、OTAでの販売価格を旅行会社に提示した販売定価より安くしないことが取引を続ける条件になります。手数料の考え方は コミッション(販売手数料) で解説しています。
OTAに出したら、問い合わせが英語で来るようになって対応しきれなかった。
OTAの多くは予約と決済を仕組みで完結させますが、当日の集合場所や食事制限の確認など、旅行者とのやり取りはゼロにはなりません。掲載前に、どこまで英語で対応するか、定型文を用意しておくと負担が減ります。
よくある質問
OTAに掲載するのに費用はかかりますか?
体験特化型の多くは、掲載自体は無料で、予約が成立したときにだけ手数料がかかる仕組みです。たとえばGetYourGuideは、掲載と維持は無料で成立した予約にのみ手数料がかかり、料率は国によって異なると公式に説明しています。国の手引きでは、OTAでの販売に15〜25%程度の販売手数料がかかるとしています。正確な条件は各OTAの登録時に提示される規約で確認してください。
海外OTAと国内OTAは、どちらに出すべきですか?
誰に売りたいかで決まります。訪日旅行者に届けたいなら、狙う国で使われている海外OTAが中心です。欧州ならGetYourGuide、北米・オーストラリアならViator、アジアならKlookやKKdayというように、得意な市場が違います。国内の旅行者も対象にするなら国内OTAも検討します。最初から多くのOTAに出すより、1〜2社で運用に慣れてから広げるほうが管理の負担が少なくなります。
OTAに出すには旅行業の登録が必要ですか?
自分の施設や体験を自分で提供し、OTAに販売を任せる形であれば、原則として事業者側に旅行業登録は求められないと考えられています。一方で、他社の宿泊や運送を組み合わせた商品を自社の商品として販売する場合は、原則として旅行業の登録が必要になると国の手引きで説明されています。判断に迷う商品は、都道府県の旅行業担当課や観光庁に事前に確認してください。
OTAの口コミは、どのくらい大事ですか?
多くのOTAでは購入者が口コミを書き込めるため、口コミの数と内容が次の予約を左右します。国の手引きでも、口コミの蓄積による信用度の向上など、情報発信のツールとして活用できる点がOTAの強みとして挙げられています。掲載直後は口コミがゼロなので、最初の参加者に丁寧に対応し、口コミへの返信も続けることが、検索結果で選ばれる土台になります。
関連する用語
出典・参考
- 国土交通省中部運輸局「訪日外国人旅行者向け 観光コンテンツ販路構築の手引き」(観光庁サイト掲載) — OTAの定義(p.8)、販路別の適否(p.6・p.11)、OTAのメリット・デメリットと15〜25%程度の販売手数料(p.16〜17)、掲載の流れ・1か月程度・3分類(p.18)、主なOTAの特徴 2025年3月時点(p.19〜20)、運送・宿泊を伴う販売と旅行業登録(p.7)
- GetYourGuide「Become a GetYourGuide Supplier」 — 掲載・維持は無料で成立予約のみ手数料、料率は国により異なり登録後に提示
公開 2026.10.04 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。
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