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インバウンド/アウトバウンドInbound / Outbound

読み: いんばうんど/あうとばうんど別名: インバウンド・アウトバウンド・訪日旅行・訪日外国人旅行・日本人の海外旅行・ツーウェイツーリズム

旅行業界で、インバウンド(Inbound)は外国から日本へ来る旅行(訪日外国人旅行)、アウトバウンド(Outbound)は日本から外国へ出る旅行(日本人の海外旅行)を指す。どちらも「国境をまたぐ旅行の向き」を表す言葉。

この用語の要点

  • インバウンド=訪日外国人旅行、アウトバウンド=日本人の海外旅行。観光庁もこの意味で使っている
  • 同じ1つの旅行でも、送り出す国の旅行会社から見ればアウトバウンド、受け入れる日本側から見ればインバウンドになる
  • JNTOの推計では2025年の訪日外客数は42,683,600人で過去最多。一方、2025年の出国日本人数は約1,473万人で、2019年(約2,008万人)を下回っている
  • 訪日外客数は「訪れた人の数」で、日本に住む外国人や宿泊者数・消費額とは別の数字。地域の計画では自分の地域に来た数を別の統計で確かめる
  • マーケティング用語の「インバウンドマーケティング」は集客手法の名前で、訪日旅行とは関係がない

インバウンド・アウトバウンドとは

英語の inbound は「内向きの・到着する」、outbound は「外向きの・出ていく」という意味です。旅行業界では国を基準にして、外から日本に入ってくる旅行をインバウンド、日本から外に出ていく旅行をアウトバウンドと呼びます。

観光庁も、アウトバウンドを「日本人の海外旅行」と説明しています。日本の観光政策で「インバウンド」と言えば、ほぼ例外なく訪日外国人旅行のことです。

この2つに国内旅行(日本人が日本国内を旅行すること)を加えた3つが、旅行市場の大きな区分です。地域の観光事業者が日々受け入れているお客様のほとんどは国内旅行者で、そこに訪日外国人旅行者がどれだけ加わるか、という見方をすると数字が整理しやすくなります。

同じ旅行でも、立場によって呼び名が変わる

インバウンドの商流(3ルート)海外の旅行者が地域の事業者に届くまでの3つのルート。①海外の旅行会社→日本のランドオペレーター→事業者(NET価格で取引)、②旅行者→OTA→事業者(コミッション発生)、③旅行者→SNS・自社サイト→事業者(直販)。① 旅行会社経由団体・富裕層・オーダーメイド志向の個人旅行者海外の旅行会社取引はNET価格(卸値)日本のランドオペレーター② OTA経由自分で検索して予約する個人旅行者(FIT)海外の旅行者(FIT)予約ごとにコミッション(手数料)OTABooking.com・Viator・GetYourGuide など③ 自社直販若い世代・リピーター・SNSで見つける旅行者海外の旅行者(FIT)手数料は決済分のみSNS・自社サイト・メディア記事地域の観光事業者(宿泊・飲食・体験・物販)ポイント・ターゲットによって使う商流が変わる。欧米豪の富裕層・家族連れは①、アジア圏や若い世代の個人旅行者は②③が中心・訪日旅行者の約9割は個別手配(観光庁 インバウンド消費動向調査 2025年年次報告書)。それでも①を外せないのは1人あたり消費額が大きいため・「OTAだけで十分」と決めず、①と②③の両方の入口を用意するのが基本
インバウンドの商流(3ルート)。2026-08-10 Kachisai定例会セミナーの図を再作成

商談の場で混乱しやすいのが、呼び方は「どちらの国から見るか」で決まるという点です。

たとえばオーストラリアの旅行会社が日本ツアーを売る場合、その会社にとっては自国民を海外に送り出す仕事なので「アウトバウンド」です。同じお客様を日本で受け入れて宿やバスを手配するランドオペレーターにとっては「インバウンド」になります。

立場その旅行の呼び方
海外の旅行会社(送り出す側)アウトバウンド
日本のランドオペレーター(手配する側)インバウンド
地域の宿・体験事業者(受け入れる側)インバウンド

海外の旅行会社の担当者が「うちはアウトバウンド専門です」と言ったら、それは「自国の旅行者を日本などの海外に送る会社です」という意味です。日本の事業者にとってはむしろ取引相手になりうる会社なので、言葉だけで「関係ない」と判断しないことが大切です。

数字で見るインバウンドとアウトバウンド

JNTO(日本政府観光局)の推計では、2025年の訪日外客数は42,683,600人(前年比15.8%増)で、年間4,000万人を初めて超え過去最多になりました。前年の2024年は36,870,148人です。

一方、観光庁の統計ページによると、2025年の出国日本人数は約1,473万人(出入国在留管理庁)です。観光庁の旧・観光立国推進基本計画に載っている2019年の実績は、訪日外国人旅行者数が約3,188万人、日本人の海外旅行者数が約2,008万人でした。訪日側は2019年を大きく超えた一方、日本人の海外旅行はまだ戻りきっていません。

観光庁はアウトバウンドの促進について、双方向の交流(ツーウェイツーリズム)を広げることが航空ネットワークの拡大、ひいてはインバウンドのさらなる拡大につながると説明しています。地方空港の国際線は、日本から出る人と海外から来る人の両方が乗ることで維持されるからです。

統計を読むときの注意

JNTOの「訪日外客」は、外国人正規入国者から日本に住む永住者等を除き、一時上陸客等を加えた数です。日本に住んでいる外国人の国内旅行は含まれません。 また「何人が入国したか」の数字なので、ある県やある町に何人来たかは分かりません。自分の地域の状況を知るには、観光庁の宿泊旅行統計調査や、地域のDMO・自治体の調査を別に確認します。

地域の事業者にとっての意味

インバウンドの数字が過去最多と聞いても、自分の店に外国人客が増えた実感がない事業者は少なくありません。全国の総数と、自分の地域に届いている数は別物だからです。

訪日旅行者が自分の地域に来るまでには、大きく3つのルートがあります(上の図)。

  1. 旅行会社経由: 海外の旅行会社(向こうから見ればアウトバウンド)が、日本のランドオペレーター(こちらから見ればインバウンド)を通じて地域の事業者を手配する
  2. OTA経由: 個人旅行者がViatorやBooking.comなどのOTAで検索して予約する
  3. 自社直販: SNSや自社サイト、メディア記事を見て直接予約する

どのルートにも乗っていなければ、全国の数字がいくら伸びても地域には届きません。「インバウンドを増やしたい」と考えたときは、まず自分の商品がどのルートに載っているかを確かめるところから始めます。

海外の旅行会社に「アウトバウンドの担当です」と言われて、うちとは関係ない部署かと思ってしまった。

商談会で起きがちな取り違えです。先ほどの表のとおり、海外の旅行会社のアウトバウンド担当は、日本向けツアーを作る人そのものです。商談相手としては一番話を聞いてほしい相手です。

よくある誤用と、似た言葉との違い

「インバウンド=外国人なら誰でも」ではありません。 日本に住んでいる外国人の方が国内を旅行するのは、統計上は訪日外国人旅行に入りません。受け入れの実務(言語・食事・支払い方法)は似ていても、数字の上では別のお客様です。

「インバウンドマーケティング」は別の言葉です。 Webマーケティングの分野では、広告で押しかけるのではなく、記事やSNSで見つけてもらう集客手法をインバウンドマーケティングと呼びます。観光の文脈で「インバウンド対策」と言われたら訪日旅行の話、Web制作会社の提案書に書いてあれば集客手法の話、と読み分けます。

「訪日外客数」と「訪日外国人旅行者数」は、ほぼ同じ数字を指します。 JNTOの統計名が「訪日外客数」、観光庁の説明では「訪日外国人旅行者数」と書かれることが多く、ページによって表記が違うだけです。

個人で旅行する人を FIT、団体ツアーで来る人を GIT(団体旅行) と呼ぶのも、インバウンドの中をさらに分ける言葉です。

よくある質問

インバウンドとアウトバウンド、どちらが訪日外国人のことですか?

インバウンドが訪日外国人旅行、アウトバウンドが日本人の海外旅行です。日本を基準に「入ってくる」のがインバウンド、「出ていく」のがアウトバウンドと覚えると混乱しません。ただし海外の旅行会社から見ると、日本への旅行は自国からのアウトバウンドになります。

日本に住んでいる外国人のお客様も、インバウンドに数えますか?

JNTOの訪日外客数では、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人は除かれています。そのため統計上は国内旅行者の扱いです。受け入れの準備(多言語表記や食の配慮)はそのまま役に立ちますが、補助金の申請書などで「インバウンド客数」を書くときは、数え方を分けておくと説明しやすくなります。

地域の観光事業者がアウトバウンドを気にする必要はありますか?

直接の売上には結びつきにくいものの、無関係ではありません。観光庁は、日本人の海外旅行と訪日旅行の双方向の交流が航空路線の維持・拡大につながると説明しています。地方空港の国際線が増えれば、その地域に来る訪日旅行者の入口も増えます。地域の空港や港の国際便の動きは、ときどき確認しておくと計画が立てやすくなります。

訪日外客数の最新の数字はどこで確認できますか?

JNTO(日本政府観光局)が毎月「訪日外客数」の推計値を公表しています。国・地域別、月別の推移もJNTOの訪日外客統計のページで確認できます。出国日本人数は観光庁の統計ページから出入国在留管理庁の数字にたどれます。数字は推計値から暫定値、確定値へと後から更新されるため、資料に書くときは何月時点の数字かを添えておきます。

出典・参考

  1. JNTO「訪日外客数(2025年12月推計値)」 — 2025年の訪日外客数42,683,600人(前年比15.8%増)、2024年36,870,148人、訪日外客の定義(永住者等を除く)
  2. 観光庁「訪日外国人旅行者数・出国日本人数」 — 2025年の訪日外国人旅行者数4,268万人(JNTO)、出国日本人数1,473万人(出入国在留管理庁)
  3. 観光庁「観光立国推進基本計画」を閣議決定(2023年3月31日) — 令和元年(2019年)実績: 訪日外国人旅行者数3,188万人、日本人の海外旅行者数2,008万人
  4. 観光庁「アウトバウンドの促進」 — アウトバウンド=日本人の海外旅行。ツーウェイツーリズムが航空ネットワーク拡大とインバウンド拡大に貢献するという説明

公開 2026.10.06 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。

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