Pricing & Terms

コミッション(販売手数料)Commission

読み: こみっしょん(はんばいてすうりょう)別名: コミッション・販売手数料・コミッション率・手数料率

旅行会社・ランドオペレーター・OTAなどが、事業者の商品を販売した対価として受け取る販売手数料。販売定価(GROSS)に対する割合で示すことが多く、「GROSS − コミッション = NET」の関係にある。業界では「R(アール)」とも呼ぶ。

この用語の要点

  • 販売定価(GROSS)に対する割合で表すのが一般的。「R15」は手数料15%のこと
  • 国の手引きでは、OTAで販売すると実績に応じて15〜25%程度の販売手数料が発生するとして、価格設定での考慮を求めている
  • 料率を公式に公開しているOTAは限られる。Airbnbは体験の予約に通常20%のサービス料、GetYourGuideは「国によって異なり登録後に提示」と説明している
  • 旅行会社・ランドオペレーターとの取引では、事業者がNET価格で卸し、販売価格との差額が相手の取り分になる形が多い
  • 料率だけでなく、差し引きのタイミング・キャンセル時の扱い・税の扱いまで契約書で確認する

コミッションとは:Rと呼ばれる販売手数料

コミッション(commission)は、販売を代わりに行った会社が受け取る手数料です。観光の世界では、旅行会社・ランドオペレーター・OTA(オンライン旅行会社)が、事業者の体験や宿泊を旅行者に売ったときの取り分を指します。

現場では短く「R(アール)」と呼ぶことがあります。「R15でお願いします」は「手数料15%で」という意味で、「R込みの価格」は手数料を含んだ販売定価(GROSS)のことです。

コミッションは、価格の関係式で覚えると混乱しません。

GROSS価格(販売定価) − コミッション = NET価格(事業者の手残り)

GROSS 10,000円の体験でコミッションが20%なら、2,000円が販売した会社の取り分、8,000円が事業者の手残りです。NETとGROSSの考え方は NET価格・GROSS価格 で詳しく解説しています。

販路によって、手数料の取られ方が違う

同じ「手数料」でも、販路によって仕組みが違います。

販路手数料の仕組み事業者から見た形
OTA(Viator・GetYourGuide・Airbnb体験など)予約が成立するごとに、販売価格に料率を掛けた額が差し引かれるか請求される販売価格は自分で設定し、手数料を引かれた額が入金される
旅行会社・ランドオペレーター事業者がNET価格で卸し、相手が自社の利益を乗せて販売する受け取るのはNET価格そのもの。差額は相手の裁量
自社直販販売手数料はかからない決済手数料や予約システムの利用料、集客の広告費がかかる

OTAの場合は「料率」として明示されるので分かりやすい一方、旅行会社・ランドオペレーターとの取引では「手数料何%」という言い方をせず、NET価格の交渉として話が進むことがよくあります。どちらの形でも、手元に残るのはNET価格だという点は同じです。

商談で「R15でNETを出してもらえますか?」と言われ、Rが何のことか分からず聞き返せなかった。

業界の略語に戸惑うのは珍しいことではありません。分からない略語はその場で確認して構いません。金額の行き違いのほうがよほど大きな損失になります。

公式に確認できる手数料の情報

手数料率は契約や国によって変わるため、具体的な数字を公式に公開しているサービスは多くありません。2026年10月時点で公式ページから確認できた範囲は次のとおりです。

出どころ公式に書かれている内容
Airbnb(ヘルプセンター)体験の予約には通常20%のサービス料がかかる
GetYourGuide(サプライヤー向けページ)掲載・維持は無料で、成立した予約にのみ手数料がかかる。料率は事業を行う国によって異なり、登録後に提示される
国の手引き(中部運輸局、観光庁サイト掲載)OTAでの販売では、販売実績に応じて15〜25%程度の販売手数料が発生するため、価格設定で考慮が必要

これ以外のOTAや、旅行会社・ランドオペレーターとの取引の料率は、公式には公開されていないか、契約ごとに異なります。インターネット上には「◯◯は何%」という情報も多く出回っていますが、多くは二次情報です。自分の契約書と管理画面に書かれた数字だけを根拠にするのが安全です。

手数料を踏まえた値付け

手数料率が分かったら、手残り(NET)から逆算して販売価格を決めます。

  1. 原価と、続けるために必要な利益から、最低限の手残り(NET)を決める
  2. 販路ごとの手数料率を確認する
  3. 「NET ÷(1 − 手数料率)」で必要な販売価格を出す
  4. 販路ごとに出た価格を見比べ、旅行者から見える価格(GROSS)がどの販路でも揃うように調整する

たとえば手残りが8,000円必要で手数料率が20%なら、8,000 ÷ 0.8 = 10,000円です。8,000円に20%を「足して」9,600円にすると、20%を引かれた手残りは7,680円になり足りません。

販路によって手数料率が違う場合でも、旅行者から見える価格を販路ごとに大きく変えるのは避けます。直販サイトだけ極端に安いと、旅行会社やOTAで売りにくくなるからです。手数料が高い販路の手残りが少なくなることは、集客の費用として受け止めるのが現実的です。

契約前に確認しておくこと

料率の数字だけを見て判断すると、後から「思っていたより手残りが少ない」ということが起きます。次の点は契約書や規約で確認しておきます。

  • 何に対する料率か: 税込価格に対してか、税抜価格に対してか。オプション料金や送迎代にもかかるのか
  • 差し引きか、請求か: 入金時に差し引かれるのか、後日まとめて請求されるのか。外貨建ての場合の為替の扱い
  • キャンセル時の扱い: 旅行者がキャンセルした場合、取消料に対しても手数料がかかるのか
  • 料率が変わる条件: 露出を増やすプログラムに参加すると料率が上がるなど、選択によって変わる仕組みがあるか
  • 税の扱い: 海外の事業者に支払う手数料の消費税や、請求書の様式。判断に迷う場合は税理士や税務署に確認する

特に海外OTAとの契約は英語の規約になるため、読み飛ばしがちです。最初に一度だけでも、料率・入金時期・キャンセルの3点は日本語にして手元に残しておくと安心です。

よくある誤解

「手数料が高い販路は損」とは限りません。 自社直販は手数料がかからない代わりに、予約システム、決済、多言語の問い合わせ対応、広告などの費用と手間がかかります。OTAや旅行会社の手数料は、そうした集客と販売の仕事を任せる対価です。販路ごとに「手数料を払ってでも、自分では届かないお客様に届くか」で比べます。

「旅行会社から手数料を請求されない=手数料ゼロ」ではありません。 NET価格で卸す取引では請求書に手数料の項目は出てきませんが、旅行者が払う価格との差額が旅行会社の取り分になっています。

旅行業務取扱料金とは別物です。 旅行会社が旅行者から受け取る手配の料金(取扱料金)と、事業者が販売を任せた対価として負担するコミッションは、払う人も意味も違います。

よくある質問

コミッションの相場は何%くらいですか?

公式に確認できる範囲では、国の手引きがOTAでの販売について15〜25%程度の販売手数料を目安として挙げています。Airbnbは体験の予約に通常20%のサービス料と公表しています。一方、GetYourGuideは国によって異なり登録後に提示するとしており、旅行会社やランドオペレーターとの取引の料率も公開されていません。相場の数字より、自分の契約条件を書面で確認することを優先してください。

手数料率を交渉することはできますか?

OTAでは原則として運営側が定めた料率が適用され、個別の交渉余地は小さいのが一般的です。旅行会社やランドオペレーターとの取引では、NET価格そのものが交渉の対象になるため、取引量や受入条件によって話し合いの余地があります。値下げに応じる場合は、手残りが原価を下回らないか、他の販路との価格の釣り合いが崩れないかを先に計算してから回答してください。

キャンセルされた予約にも手数料はかかりますか?

取引先や規約によって扱いが異なります。旅行者が取消料を支払った場合、その取消料に対して手数料がかかる規約もあれば、かからない規約もあります。返金不可の予約や無断キャンセルの扱いも含め、契約前に規約を確認し、分からない点はサポート窓口に書面で問い合わせて記録を残しておくと、後のトラブルを防げます。

OTAと旅行会社で手数料率が違う場合、販売価格も変えるべきですか?

旅行者から見える価格は、できるだけどの販路でも揃えるのが原則です。販路によって価格がばらばらだと、旅行者は一番安いところで買い、他の販路では売れなくなります。手数料率の違いは、販路ごとの手残りの差として受け止め、どの販路でも原価を割らない価格に設定しておくのが現実的です。どうしても差を付ける場合は、取引先に事前に伝えてください。

出典・参考

  1. Airbnb ヘルプセンター「Airbnb service fees」 — 体験の予約には通常20%のサービス料(For experience reservations, we typically charge a 20% service fee)と記載
  2. GetYourGuide「Become a GetYourGuide Supplier」 — 掲載・維持は無料で成立予約のみ手数料、料率は事業を行う国により異なり登録後に提示、との公式説明
  3. 国土交通省中部運輸局「訪日外国人旅行者向け 観光コンテンツ販路構築の手引き」(観光庁サイト掲載) — OTAでの販売は販売実績に応じて15〜25%程度の販売手数料が発生し価格設定で考慮が必要(p.16〜17)

公開 2026.10.04 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。

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