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GIT(団体旅行)Group Inclusive Tour

読み: ジー・アイ・ティー別名: 団体旅行・団体ツアー・グループツアー・Group Tour・Group Inclusive Tour・Group Independent Tour

旅行会社が行程・宿泊・移動・食事などを企画・手配した団体ツアーに参加して旅行する形態、またはその旅行者。バス単位での移動や添乗員の同行が一般的で、個人で手配するFITの対義語として使われる。

この用語の要点

  • Group Inclusive Tour の略として使われることが多い(Group Independent Tour と書かれる資料もある)。意味は「旅行会社が組んだ団体旅行」
  • 観光庁のインバウンド消費動向調査(2025年年次報告書)では、旅行会社等が企画した団体ツアーへの参加は全体の9.6%。一方、ベトナムは29.0%、タイは19.6%、台湾は17.8%と、市場によって比率が高い
  • 団体の受け入れで評価されるのは「時間どおりに、決まった人数を、決まった内容でさばけるか」。バスの駐車・トイレ・一括の食事提供が条件になる
  • 取引の相手は旅行者ではなく旅行会社・ランドオペレーター。NET価格・一括精算・人数確定の締め切りなど、B2Bの取り決めが前提になる
  • FITが主流になっても団体がなくなったわけではない。少人数の団体(家族・企業・学校・趣味のグループ)向けの受け入れは、小さな事業者にも選択肢になる

GITとは:意味とFITとの違い

GITは、旅行会社が企画した団体ツアーで旅行する人、またはその旅行の形を指す業界用語です。Group Inclusive Tour の略とされることが多く、資料によっては Group Independent Tour と書かれていることもあります。綴りの違いはあっても、現場での意味は「旅行会社が組んだ団体旅行」で共通しています。

「Inclusive(込み)」という言葉のとおり、航空券・宿泊・バス・食事・観光施設の入場などがひとまとめになったツアーで、多くの場合は添乗員やガイドが同行します。旅行者は行き先や食事を自分で選ばず、旅行会社が決めた行程に沿って動きます。

対になる言葉がFIT(個人旅行)です。

比べる点GIT(団体旅行)FIT(個人旅行)
手配する人旅行会社旅行者本人
移動貸切バスなどでまとめて移動公共交通・レンタカー・タクシー
行程事前に確定。時間の変更は難しい旅行中でも自由に変わる
事業者の取引相手旅行会社・ランドオペレーター旅行者本人、またはOTA
予約の単位1団体(十数名〜数十名)1組(1〜数名)

いまの訪日旅行でGITはどのくらいいるのか

観光庁のインバウンド消費動向調査(2025年年次報告書)によると、訪日旅行者の旅行手配方法は「旅行会社等が企画した団体ツアーに参加した」が9.6%、「個人旅行向けパッケージ商品を利用した」が3.2%、「往復航空券や宿泊等を個別に手配した」が87.2%でした。全体で見ると、団体ツアーは1割弱です。

ただし、国・地域別に見ると様子が変わります。同じ調査で団体ツアー参加の比率は、ベトナムが29.0%、タイが19.6%、台湾が17.8%と、全体平均より高くなっています。反対に、米国・カナダ・オーストラリアなどは数%にとどまります。

つまり「インバウンドはもう個人旅行ばかり」と一括りにするのではなく、どの市場の旅行者を迎えたいかによって、団体の比重は変わるということです。アジアの特定市場を狙う地域では、団体の受け入れ体制が今も集客を左右します。

商流の中での位置づけ

インバウンドの商流(3ルート)海外の旅行者が地域の事業者に届くまでの3つのルート。①海外の旅行会社→日本のランドオペレーター→事業者(NET価格で取引)、②旅行者→OTA→事業者(コミッション発生)、③旅行者→SNS・自社サイト→事業者(直販)。① 旅行会社経由団体・富裕層・オーダーメイド志向の個人旅行者海外の旅行会社取引はNET価格(卸値)日本のランドオペレーター② OTA経由自分で検索して予約する個人旅行者(FIT)海外の旅行者(FIT)予約ごとにコミッション(手数料)OTABooking.com・Viator・GetYourGuide など③ 自社直販若い世代・リピーター・SNSで見つける旅行者海外の旅行者(FIT)手数料は決済分のみSNS・自社サイト・メディア記事地域の観光事業者(宿泊・飲食・体験・物販)ポイント・ターゲットによって使う商流が変わる。欧米豪の富裕層・家族連れは①、アジア圏や若い世代の個人旅行者は②③が中心・訪日旅行者の約9割は個別手配(観光庁 インバウンド消費動向調査 2025年年次報告書)。それでも①を外せないのは1人あたり消費額が大きいため・「OTAだけで十分」と決めず、①と②③の両方の入口を用意するのが基本
インバウンドの商流(3ルート)。団体旅行は①旅行会社経由のルートで動く。2026-08-10 Kachisai定例会セミナーの図を再作成

団体旅行は、インバウンドの3つの商流のうち、①旅行会社経由のルートで動きます。海外の旅行会社がツアーを企画・販売し、日本側のランドオペレーターが宿・バス・食事・体験を手配し、地域の事業者が受け入れる、という流れです。

このルートでは、事業者が旅行者と直接やり取りすることはほとんどありません。価格は旅行会社への卸値であるNET価格で決まり(NET価格・GROSS価格)、予約・人数の確定・精算もランドオペレーターや旅行会社との間で行います。

裏を返すと、団体を受け入れたい事業者がまず向き合う相手は、旅行者ではなくランドオペレーターや旅行会社です。タリフ(料金表)とプロダクトシート(商品提案書)を用意し、団体向けの条件を明記しておくことが入口になります。

団体を受け入れる事業者の実務

団体の受け入れで問われるのは、体験の魅力と同じくらい「段取り」です。ツアーは1日に複数の訪問先を回るため、1か所の遅れが行程全体に響きます。

事前に決めておくこと

  • 受け入れ人数の上限と最少人数: 1回で何名まで、何名から受けられるか。大人数を分割して受ける場合は、その方法
  • 所要時間: 到着から出発までの時間。バスの乗り降りやトイレ休憩を含めて設計する
  • バスの駐車場所: 大型バスが停められるか、近くの乗降場所はどこか
  • 団体料金と精算方法: NET価格、添乗員・ガイド・運転手の料金の扱い、請求書の宛先と支払い期日
  • 人数確定とキャンセルの締め切り: 何日前に最終人数を確定するか、直前の人数減をどう扱うか

当日の段取り

  1. 到着予定時刻の前に準備を終え、遅れの連絡を受けられる担当者を決めておく
  2. 説明は短く区切り、通訳・ガイド経由でも伝わる言葉にする
  3. 食事は人数分を一斉に出せるよう、アレルギー・宗教食の対応分を事前に分けておく
  4. 終了時刻を守る。延長は添乗員の判断に任せる
30人の団体を受けたいけれど、体験の場所は15人しか入らない。断るしかない?

2班に分けて、片方が体験している間にもう片方が見学や買い物をする、という組み方があります。近隣の事業者と組めば、1か所では受けられない規模の団体にも対応できます。

よくある誤解と、似た言葉との違い

「FITの時代だから、団体は相手にしなくてよい」とは限らない。 前述のとおり、市場によっては団体ツアーの比率が今も高く、また家族・企業の報奨旅行・学校・趣味の仲間など、少人数の団体も団体旅行に含まれます。大型バスを受けられない事業者でも、少人数の団体なら対応できる場合があります。

「団体=安売り」とも限らない。 団体向けは単価を下げて数で稼ぐイメージがありますが、旅行会社がオーダーメイドで組む少人数の高付加価値なツアーも団体旅行の一つです。価格は人数と内容から決め、NET価格の考え方で手残りを確認しておくことが大切です。

パッケージツアーとの違い。 観光庁の調査では、航空券と宿泊がセットになった「個人旅行向けパッケージ商品」の利用は、団体ツアー参加とは別に集計されています。パッケージを使っていても、現地を個人で動く旅行者はGITではなく、受け入れの実務はFITに近くなります。

よくある質問

GITとFITはどちらを優先して受け入れるべきですか?

どちらが正解ということはなく、迎えたい市場と自分の施設の条件で決まります。訪日旅行者全体では個別手配のFITが多数派ですが、ベトナムやタイ、台湾などでは団体ツアーの比率が比較的高いという調査結果があります。受け入れ人数や駐車場の条件も含めて、自分に合う形を選ぶのが現実的です。

何人からが団体旅行になりますか?

法律や業界で一律に決まった人数の線引きがあるわけではありません。旅行会社や施設ごとに「〇名以上は団体料金」といった独自の基準を設けているのが実情です。自分の施設で団体料金や団体向けの条件を何名から適用するかを決め、タリフとプロダクトシートに明記しておくと、旅行会社とのやり取りがスムーズになります。

団体の受け入れで、添乗員やガイドの料金はどう扱えばよいですか?

添乗員・ガイド・バスの運転手の体験料や食事代を無料にするか、別料金にするかは事業者ごとの取り決めです。決まった慣行に頼らず、自分の施設の扱いを事前に決めてタリフに書いておくことをおすすめします。あとから請求すると、旅行会社側の見積もりと食い違ってトラブルになりやすいからです。

団体が直前に人数を減らした場合、料金はどうなりますか?

旅行会社やランドオペレーターとの間で決めたキャンセルポリシーと人数確定の締め切りに従います。取り決めがなければ請求の根拠がないため、「〇日前までに最終人数を確定」「それ以降の減員は〇%を請求」といった条件を、取引を始める前に書面で合意しておくことが大切です。

出典・参考

  1. 観光庁「訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2025年 年次報告書」 — 旅行手配方法(全目的・図表1-10、報告書p.5): 団体ツアー参加9.6%、個人旅行パッケージ利用3.2%、個別手配87.2%。国籍別の団体ツアー参加はベトナム29.0%・タイ19.6%・台湾17.8%

公開 2026.10.05 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。

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