Sales & Marketing
インバウンド商談会Travel Mart / Trade Show
海外の旅行会社などの仕入れ担当者(バイヤー)と、日本の自治体・DMO・宿泊施設・体験事業者・旅行会社など(セラー)が一堂に会し、あらかじめ組まれた予定に沿って短時間の商談を重ねる業者向けのイベント。
この用語の要点
- 旅行者向けの旅行博とは別物。相手は旅行会社の仕入れ担当で、「自社のツアーに組み込めるか」を判断しに来ている
- 日本最大級はJNTO主催の「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート(VJTM)」。2025年は約270社のバイヤー(33か国・地域)と約330団体のセラーが参加し、商談は計約7,500件
- 持ち物の基本は英語のタリフとプロダクトシート。条件が書かれていない資料は、その場で判断されず後回しになる
- 成果が出るかは商談後で決まる。数日以内のフォロー連絡と、必要ならFAMトリップでの現地確認につなげる
- 1社で出展するのが難しければ、自治体やDMOの出展枠に商品を載せてもらう相談から始める
インバウンド商談会とは:旅行会社の仕入れ担当と会う場
インバウンド商談会は、海外から日本への旅行を扱う旅行会社の担当者と、日本の観光事業者が直接会って商談するイベントです。英語では「トラベルマート(Travel Mart)」や「トレードショー(Trade Show)」と呼ばれます。
参加者は2つの立場に分かれます。
- バイヤー: 海外の旅行会社、日本国内のランドオペレーターなど、商品を仕入れてツアーに組み込む側
- セラー: 自治体、DMO、宿泊施設、体験事業者、交通事業者、旅行会社など、商品を売り込む側
商談会によっては、事前にバイヤーとセラーの希望をもとに面談の予定を組み、当日は短い時間の商談を次々にこなす形をとります。進め方は商談会ごとの案内で確認します。普段は会えない海外の旅行会社に、まとめて会える数少ない機会です。
主な商談会:JNTOのVJTMと海外での商談会
VISIT JAPAN トラベル&MICEマート(VJTM)
日本政府観光局(JNTO)が主催する、日本最大級のインバウンド商談会です。海外で訪日旅行を扱う旅行会社の担当者と、日本全国の観光関係事業者を一堂に集めて商談の機会を提供しています。海外の参加者向けに、地方を巡るファムトリップ(FAMトリップ)も併せて実施されます。
JNTOの開催報告によると、2025年は愛知県のAichi Sky Expoで開かれ、世界33か国・地域から約270社のバイヤーと約330団体のセラーが参加し、商談は計約7,500件でした。2026年は、9月24日〜26日に東京ビッグサイトでツーリズムEXPOジャパンと合同で開く予定と発表されており、バイヤー280社程度、セラー350社・団体程度を見込むとしていました。セラーの募集はJNTOのサイトに掲載されるため、次回の参加条件や費用は募集要項で確認してください。
海外での商談会・旅行見本市
JNTOは海外でも、現地の旅行会社向けの商談会を開いています。また、英国ロンドンで毎年11月に開かれる旅行見本市「World Travel Market(WTM)」には、自治体や観光関連団体と連携してビジット・ジャパンブースを共同出展しています。
商流の中での位置づけ
商談会は、上の図の左上「旅行会社へ商品として提案する(B2B)」アプローチの代表的な場です。旅行会社経由の販路は、一度ツアーに組み込まれると翌年以降も続きやすい一方、まずバイヤーに知ってもらわなければ始まりません。
ランドオペレーター(ランドオペレーター)に個別に営業する方法もありますが、商談会では、海外の旅行会社と日本のランドオペレーターの両方に、数日で何十件も会える可能性があります。
準備・当日・その後の実務
準備するもの
- 英語のタリフ(タリフ(料金表)): NET価格・GROSS価格、季節や人数ごとの区分、有効期間、キャンセルポリシー(キャンセルポリシー)
- 英語のプロダクトシート(プロダクトシート(商品提案書)): 体験の流れ、所要時間、定員、集合場所、対応言語、食事制限への対応、写真
- 名刺とデータの渡し方: 紙の資料は持ち帰ってもらえないこともあるため、資料をダウンロードできるURLやQRコードを用意する
- 1分で話せる説明: 「誰に、何を、何時間で、いくらで」を最初の1分で伝える
当日の進め方
短い商談時間の中で、相手の扱う市場(国・客層・団体か個人か)を先に聞き、それに合う商品だけを紹介します。全部の商品を説明しようとすると、時間切れになります。相手が興味を示したら、次に何を送るかをその場で決めておきます。
終わった後
商談会の後、バイヤーは何十社もの資料を抱えて帰ります。数日以内に、商談のお礼と約束した資料を送ると、記憶に残りやすくなります。関心が高い相手には、現地を見てもらうファムトリップを提案するのが次の一歩です。
現場で起きやすい失敗と、よくある誤解
「商談会で名刺を何十枚も配ったのに、その後1件も連絡が来なかった」
初めての商談会で起きやすい状況です。考えられる原因は、資料に価格や条件が書かれていない、フォローの連絡をしていない、のどちらかです。バイヤーは、その場で興味を持っても、条件が分からない商品を自社の企画会議に出せません。
ほかにも、次の点で誤解が起きやすくなります。
- 旅行博との混同: 一般の旅行者が来場する旅行博は、認知を広げる場です。商談会は業者同士の取引の場で、求められる資料も話し方も違います
- その場で契約が決まると思う: 商談会は取引の入口です。実際の組み込みは、資料のやり取りや現地確認を経て、数か月から1年以上先のツアーで決まることもあります
- 1社で出ないと意味がないと思う: 自治体やDMO(DMO(観光地域づくり法人))が地域としてセラー参加している場合、その資料に自社の商品を載せてもらう形でも、バイヤーの目に触れる機会は作れます
よくある質問
小さな体験事業者でも、VJTMにセラーとして参加できますか?
VJTMのセラーには、自治体やDMOのほか、宿泊施設や旅行会社なども参加しています。参加資格や費用、参加形態は毎回の募集要項で定められるため、JNTOのサイトに掲載される募集情報を確認してください。単独での参加が難しい場合は、地域の自治体やDMOの出展に加わる相談から始める方法もあります。
商談会には何語の資料を持っていけばよいですか?
まず英語版を用意します。海外の旅行会社との商談は英語で行われることが多いからです。特定の国・地域のバイヤーとの商談が多いと分かっている場合は、その国の言語の資料もあると伝わりやすくなります。日本のランドオペレーターとの商談には、日本語版もあると便利です。
商談会に出た後、どのくらいで成果が出ますか?
すぐに予約が入るとは限りません。海外の旅行会社は1年以上先のツアーを企画することもあり、商談からツアーへの組み込みまで時間がかかります。商談後のフォロー連絡、追加資料の送付、ファムトリップでの現地確認と段階を踏みながら、関係を続けていくことが大切です。
商談会と旅行博は何が違いますか?
商談会は、旅行会社などの業者同士が取引の相談をする場です。旅行博は、一般の旅行者に向けて地域や商品を知ってもらう場です。商談会では価格や条件を示した業者向けの資料が、旅行博では旅行者向けのパンフレットや体験の見せ方が求められます。
関連する用語
出典・参考
- JNTO「商談会・旅行見本市」 — VJTMの概要(海外の訪日旅行取扱旅行会社等と日本全国の観光関係事業者を一堂に集めた商談会・海外参加者向けファムトリップ)、海外での商談会、WTM(ロンドン・毎年11月)へのビジット・ジャパンブース共同出展
- JNTO「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート2026」開催のお知らせ(2025年12月25日) — 2026年9月24日〜26日・東京ビッグサイト西1ホール・対面方式・ツーリズムEXPOジャパン2026と合同開催、海外バイヤー280社程度・国内セラー350社・団体程度(予定)、セラー募集は2026年5月以降に掲載予定
- JNTO「インバウンド商談会『VJTM&VJMM2025』レポート」(2026年2月3日) — 2025年9月25日〜27日・Aichi Sky Expo、33か国・地域から約270社のバイヤー、約330団体のセラー、商談計約7,500件
公開 2026.10.08 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。
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