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プロダクトシート(商品提案書)Product Sheet

読み: ぷろだくとしーと(しょうひんていあんしょ)別名: プロダクトシート・商品提案書・ファクトシート・セールスシート・Fact Sheet・旅行会社 提案書

観光コンテンツの内容・体験の流れ・見どころ・受け入れ条件を、写真とともに1〜2枚にまとめた旅行会社向けの資料。価格と条件を一覧にするタリフとセットで渡し、「なぜこの商品を選ぶか」を伝える役割を持つ。

この用語の要点

  • タリフが「条件と価格の表」なら、プロダクトシートは「旅行会社が自分の顧客に勧める理由」を伝える資料。両方そろって初めて提案に使える
  • 必須項目は、所要時間・受け入れ人数(最少催行人数と最大)・催行条件・キャンセルポリシー・集合場所・対応言語・食事制限への対応
  • 国の販路構築の手引きは、商談の準備物として、相手国の言語で書いたコンテンツタリフと、視覚的に魅力が伝わる画像・動画などの販促ツールを挙げている
  • 写真は旅行会社がカタログやWebに転載できるよう、使用許可を整理しておく
  • 旅行者向けのパンフレットとは別物。業者が判断に使う情報を、短く・具体的に書く

プロダクトシートとは:旅行会社が「勧める理由」をまとめた資料

プロダクトシート(Product Sheet)は、観光コンテンツの中身を旅行会社やランドオペレーターに伝えるための資料です。日本語では「商品提案書」、英語圏では「ファクトシート(Fact Sheet)」や「セールスシート」と呼ばれることもあります。

旅行会社の担当者は、商談会や営業メールで毎日のように新しい商品の案内を受け取ります。その中から自社の顧客に勧めるものを選ぶとき、知りたいのは次の2つです。

  1. この商品は、うちのお客様に合うか(どんな体験で、何が特別か)
  2. この商品は、うちの行程に組み込めるか(何時間で、何人まで、いくらで、どんな条件か)

1に答えるのがプロダクトシート、2に答えるのが コンテンツタリフ(料金と条件の一覧)です。実務では2つをセットで渡すか、1つの資料にまとめます。

商流の中での位置づけ

インバウンド集客の4つのアプローチB2B/B2C と Sales/Marketing の2軸で整理した4つのアプローチ。①コンテンツタリフの提示(B2B×Sales)②OTA活用(B2C×Sales)③FAMトリップ・インフルエンサー招聘(B2B×Marketing)④メディア取材・PR(B2C×Marketing)。B2B 旅行会社・ランドオペレーターに向けてTravel TradeB2C 旅行者本人に向けてDirect to Consumer売るSales商品として買ってもらう伝えるMarketing知ってもらい、信頼を得る①コンテンツタリフの提示NET価格・GROSS価格・キャンセルポリシー・所要時間・収容人数を明記したタリフとプロダクトシートを渡し、旅行会社のツアーに組み込みやすい状態をつくる②OTA活用Viator・GetYourGuide・Booking.com などに掲載。部屋や料理の写真ではなく「どんな体験が得られるか」を英語のタイトルと説明で見せ、FITに直接届ける③FAMトリップ・インフルエンサー招聘売るプロ(旅行会社)には下見に来てもらい定番コースへの組み込みを狙う。伝えるプロ(インフルエンサー)はターゲット国のSNSに合わせて招き、認知を広げる④メディア取材・PRJNTOの海外メディアツアーや英字媒体へのプレスリリースで第三者に取り上げてもらう。掲載実績は①の商談で信頼の「証拠」として効くどれか1つではなく、①の準備(タリフ)を土台に②〜④を組み合わせる。2026-08-10 Kachisai定例会セミナーより
インバウンド集客の4つのアプローチ。プロダクトシートは左上「①タリフ提示」でタリフとセットで使う。2026-08-10 Kachisai定例会セミナーの図を再作成

プロダクトシートが活躍するのは、B2B(旅行会社向け)の営業です。上の図の左上、旅行会社に商品として提案する場面で、タリフと一緒に渡します。

この資料は、受け取った旅行会社の中でさらに先へ回されます。ランドオペレーターは海外の旅行会社への提案に、海外の旅行会社は自社のツアー企画会議や顧客への説明に使います。つまり、事業者が直接会うことのない人が読んで判断する資料です。口頭で補足できない前提で、資料だけで伝わるように書く必要があります。

国の「観光コンテンツ販路構築の手引き」は、海外旅行会社との商談には、販売価格や受入可能日などの諸条件を商談相手国の言語で記したコンテンツタリフや、視覚的に魅力が伝わる画像・動画などの販促ツールの準備が必須だとしています。ランドオペレーター等との商談では、体験施設等から使用許可を得た宣材写真の準備も必要だとしています。

入れるべき項目

決まった様式はありませんが、旅行会社が「勧める理由」と「組める条件」を判断できるだけの情報を入れます。

項目書く内容
商品名英語名と日本語名。英語名には何の体験か分かる言葉を入れる
概要(3行程度)誰が、どこで、何を体験できるか。他にない点を1つ
体験の流れ集合から解散までを時刻つきで(例: 10:00集合→10:15説明→…→12:00解散)
所要時間移動を含めた拘束時間
受け入れ人数最少催行人数と最大人数。団体(GIT(団体旅行))を分割して受けられるか
催行条件実施期間・曜日・時間帯、雨天時の扱い、年齢や体力の条件
キャンセルポリシー何日前から何%の取消料か。天候不良で中止した場合の扱い
集合場所・アクセス住所、地図、最寄り駅からの手段、大型バスの駐車可否
対応言語ガイドや説明の言語。通訳の手配が必要か
食事・食事制限食事の有無、ベジタリアン・宗教食・アレルギーへの対応可否
写真体験中の人物が写った横長の写真を数点。使用条件を明記
連絡先予約窓口、英語で連絡できる担当者、返信までの目安

価格は、プロダクトシートに載せるか、タリフに分けるかを決めておきます。分ける場合は「価格は別添タリフ参照」と書き、両方の資料で商品名を一致させます。

書くときの実務:伝わる資料にするコツ

体験の「場面」が見える写真を選ぶ

建物や料理だけの写真より、旅行者が体験している場面の写真のほうが、旅行会社は自社の顧客に説明しやすくなります。写真は旅行会社がカタログやWebに転載することを想定し、撮影者・被写体の了承を含めて使用条件を整理しておきます。

英語は短く、具体的に

美しい形容詞を並べるより、何をするかが分かる動詞と数字を使います。「Beautiful traditional experience」より「Make your own soba noodles with a local farmer (90 min)」のほうが、担当者は行程表に書き写せます。

「できないこと」も書く

車いすで入れない場所がある、小学生未満は参加できない、重度のアレルギーには対応できない。こうした情報は書きにくいものですが、旅行会社は事前に分かれば別の手配を考えられます。困るのは、当日に発覚することです。食事制限の書き方は 食の多様性対応(アレルギー・宗教食) も参考になります。

1〜2枚に収める

担当者が最初に目を通すのは1枚目だけ、ということも珍しくありません。1枚目に商品名・概要・写真・所要時間・人数を収め、詳細は2枚目に回します。

現場で起きやすい失敗

「パンフレットを英語に訳して送ったのに、返事が来なかった」

よくある失敗です。旅行者向けのパンフレットは魅力を伝えることが中心で、所要時間・最少催行人数・キャンセルポリシーといった業者が判断に使う情報が載っていないことが多いからです。担当者はそこで判断できず、後回しにします。

ほかにも、次のような失敗がよく起こります。

  • タリフと内容が食い違う: プロダクトシートは「90分」、タリフは「2時間」。どちらが正しいか問い合わせる手間がかかり、候補から外れる
  • 有効期間が書かれていない: 旅行会社は1年以上先の商品を企画することがある。いつの情報かが分からないと使えない
  • 連絡先が日本語の電話番号だけ: 海外の担当者が問い合わせられない
  • 写真の使用条件が不明: カタログに使えず、結局写真なしで掲載される

似た言葉との違い

タリフ(料金表): 時期や人数ごとのNET価格・GROSS価格と、適用条件を一覧にした表です。プロダクトシートが「中身と魅力」、タリフが「価格と条件」という分担です。詳しくは タリフ(料金表) と コンテンツタリフ を参照してください。

パンフレット・チラシ: 旅行者向けの販促物です。業者向けの条件が載っていないため、プロダクトシートの代わりにはなりません。逆に、プロダクトシートをそのまま旅行者に配るのも向きません。

OTAの商品ページ: OTA(オンライン旅行会社) に掲載する商品説明は旅行者が読むもので、プロダクトシートと重なる項目も多くあります。体験の流れや集合場所、キャンセルポリシーは共通にしておくと、管理の手間が減り、内容の食い違いも防げます。

よくある質問

プロダクトシートとタリフは、1つの資料にまとめてもよいですか?

まとめても構いません。小規模な事業者で商品が1〜2種類なら、1枚目に概要と写真、2枚目に価格と条件をまとめた形のほうが扱いやすいこともあります。商品が増えたら、プロダクトシートは商品ごと、タリフは全商品を一覧にした表に分けると、旅行会社が比較しやすくなります。

プロダクトシートは何語で作ればよいですか?

国の販路構築の手引きでは、商談資料は英語もしくは相手の使用言語に合わせて用意する必要があるとしています。まず英語版を作り、商談相手に合わせて中国語(簡体字・繁体字)などを追加していくのが現実的です。日本の旅行会社やランドオペレーター向けには日本語版もあると便利です。

写真はスマートフォンで撮ったものでも大丈夫ですか?

明るく鮮明で、体験の場面が伝わる写真であれば使えることもあります。旅行会社がカタログやWebで大きく使うことを考え、なるべく解像度の高い横長の写真を用意します。人物が写る場合は、旅行会社の媒体に掲載されることについて本人の了承を得ておくと安心です。

一度作ったプロダクトシートは、どのくらいの頻度で見直すべきですか?

価格や催行条件、休業日、対応言語が変わったときは、その都度更新します。旅行会社は1年以上先の商品を企画することもあるため、資料には有効期間や作成日を書いておき、少なくとも年に1回は内容を確認すると、古い情報のまま販売されることを防げます。

出典・参考

  1. 国土交通省中部運輸局「訪日外国人旅行者向け 観光コンテンツ販路構築の手引き」(観光庁サイト掲載) — 海外旅行会社との商談には相手国の言語で記したコンテンツタリフと画像・動画などの販促ツールが必須、1年以上前から企画・募集する旅行会社もある(p.21)、ランオペ等との商談には使用許可を得た宣材写真が必要(p.24)、商談資料は英語もしくは相手の使用言語で用意・準備物の一例(p.36)

公開 2026.10.07 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。

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