Policy & Data

訪日外客数International Visitor Arrivals

読み: ほうにちがいきゃくすう別名: 訪日外国人旅行者数・訪日客数・インバウンド数・訪日外客統計・Visitor Arrivals

JNTO(日本政府観光局)が法務省集計の出入国管理統計に基づいて算出する、日本を訪れた外国人旅行者の数。外国人正規入国者から日本を主たる居住国とする永住者等を除き、寄港地上陸・通過上陸・船舶観光上陸の外国人を加えたもの。

この用語の要点

  • JNTOの発表では、2025年の訪日外客数は確定値で42,683,301人(前年比15.8%増)。1月発表の推計値は42,683,600人で、後から確定値に置き換わる
  • 駐在員やその家族、留学生などの入国・再入国は含まれ、航空機や船の乗員は含まれない。日本に住む外国人の国内旅行も含まれない
  • 総数は観光客・商用客・その他客に分かれる。2025年確定値では観光客が38,962,366人で、親族・友人訪問もこの「観光客」に入る
  • 訪日外客数は「入国した人数」なので、どの県・町に来たかは分からない。地域の状況は観光庁の宿泊旅行統計調査(延べ宿泊者数など)で見る
  • 延べ宿泊者数は「人数×泊数」の単位(人泊)。訪日外客数と同じ「人数」として比べない

訪日外客数とは:何を数えている数字か

訪日外客数は、ニュースで「訪日客が過去最多」と報じられるときの元になる数字です。発表しているのはJNTO(日本政府観光局)(日本政府観光局)で、法務省集計の出入国管理統計に基づいて算出されています。

JNTOの報道発表に付いている注記では、訪日外客を次のように定めています。

外国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者等の外国人を除き、これに寄港地上陸、通過上陸、船舶観光上陸の外国人を加えたもの

かみ砕くと、次のようになります。

  • 含まれる: 観光で来た外国人、出張で来た外国人、駐在員やその家族・留学生などの入国者・再入国者、クルーズ船で寄港して上陸した外国人
  • 含まれない: 日本を主な居住国とする永住者等、航空機や船の乗員、日本に住んでいる外国人の国内旅行

つまり訪日外客数は「観光客の数」ではなく、「旅行者として日本に入ってきた外国人の数」です。観光目的かどうかは、次の内訳で見ます。

観光客・商用客・その他客の内訳

JNTOは国籍別・目的別の訪日外客数も公表しています。2025年の確定値は次のとおりです。

区分2025年(確定値)前年比
総数42,683,301人15.8%増
観光客38,962,366人15.9%増
商用客1,256,180人4.8%増
その他客2,464,755人19.6%増

資料の注記によると、「観光客」は短期滞在の入国者から商用客を引いた入国外国人で、親族・友人訪問も含みます。「その他客」は観光・商用目的を除く入国外国人で、留学、研修、外交・公用などが含まれます。

事業者にとって大事なのは国・地域別の数字です。同じ資料では、2025年は韓国9,459,711人、中国9,095,931人、台湾6,763,424人が上位で、米国は3,306,820人、豪州は1,058,396人でした。自分の地域に来ている国籍と比べると、どの言語の資料を優先するか、どの国の旅行会社に話を持っていくかを考える材料になります(市場の考え方はインバウンド/アウトバウンドも参照)。

推計値・暫定値・確定値:数字は後から変わる

訪日外客数は、一度発表された数字がそのまま固定されるわけではありません。JNTOは毎月、前月分を推計値として報道発表し、その後、法務省の統計が出そろうにつれて数字を置き換えていきます。

2025年の年間値を例にとると、次のようになっています。

発表2025年の訪日外客数
2026年1月21日の報道発表(推計値)42,683,600人
国籍別/目的別の確定値資料42,683,301人

差はわずかですが、資料やWebサイトに数字を載せるときは「JNTO推計値(2026年1月発表)」のように、どの時点の数字かを添えるのが安全です。年をまたいで比較するときは、同じ種類(確定値どうし、推計値どうし)で比べます。

なお、JNTOの統計ページには「法務省発表の入国外国人総数はJNTO発表の訪日外客数と異なります」という注記があります。法務省の「入国外国人数」は集計の範囲が異なる別の数字なので、二つを混ぜて使わないようにします。

地域の数字は「宿泊旅行統計」で見る

訪日外客数は「日本に何人入国したか」なので、群馬県や桐生市に何人来たかは分かりません。 地域の状況を知るには、観光庁の宿泊旅行統計調査を使います。都道府県別に、外国人が何泊したかが毎月公表されています。

この調査の用語は、訪日外客数と単位が違うので注意が必要です。観光庁の「用語の解説」では次のように定義されています。

  • 延べ宿泊者数: 各月における宿泊者(子どもや乳幼児を含む)の延べ人数
  • 実宿泊者数: 各月における宿泊手続をした人数
  • 外国人延べ宿泊者数: 外国人(日本国内に住所を有しないもの)の宿泊者の延べ人数

計算例

外国人旅行者1人が同じ宿に3泊すると、実宿泊者数は1人、延べ宿泊者数は3人泊です。2人組が2泊なら、実宿泊者数2人、延べ宿泊者数4人泊になります。

2025年の確定値(2026年7月公表)では、外国人延べ宿泊者数は1億7,992万人泊(前年比9.4%増、2019年比55.6%増)でした。これは訪日外客数の約4,268万人とは単位が違う数字で、「4,268万人が1億8,000万人泊した」と単純に割り算して平均泊数とするのも、調査の範囲が異なるため正確ではありません。

事業者は統計をどう使うか

統計は、眺めるだけでなく、商談や計画の根拠として使うと価値が出ます。手順の例です。

  1. 全国の傾向を見る: JNTOの国籍別訪日外客数で、伸びている国・地域を確認する
  2. 自分の県を見る: 宿泊旅行統計調査の都道府県別・国籍別の外国人延べ宿泊者数で、自分の県に泊まっている国籍を確認する
  3. 差を読む: 全国では多いのに自分の県では少ない国籍は、「まだ届いていない市場」の候補。逆に県内で多い国籍は、既に来ている人に向けた受け入れ改善の対象
  4. 資料に落とす: 優先する国籍の言語でプロダクトシート(商品提案書)を用意し、その国の旅行会社と取引のある手配会社に提案する
訪日客は過去最多と聞くのに、うちの町ではあまり実感がない。数字のどこを見ればいいのか。

事業者から実際によく出る疑問です。全国の総数が増えても、増えた分が大都市や有名観光地に集中していれば、地方の体感は変わりません。全国の数字と自分の県の宿泊統計を並べて見ることで、「自分の地域に来ていない理由」を具体的に考えられるようになります。

よくある誤解

「訪日外客数=観光客数」ではありません。 出張客、留学生や研修生の入国、親族訪問も含まれます。観光目的に絞りたいときは「観光客」の内訳を使います。

「訪日外客数=来日した人の実人数」とも言い切れません。 出入国管理統計の入国者をもとにした数字なので、同じ人が1年に何度も来日すれば、そのたびに数えられると考えるのが自然です。人数というより「入国の回数」に近い数字だと理解しておくと、リピーターの多い近隣国の数字を読み違えにくくなります。

月の数字の前年比だけで判断しない。 2026年は、1月が前年同月比4.9%減、8月が9.6%減と減少した月がある一方、JNTOは8月について韓国・マレーシア・メキシコなど14市場で8月の過去最高を記録したと発表しています。総数の増減だけでなく、自分が狙う国・地域の動きを見ることが大切です。

よくある質問

訪日外客数には、日本に住んでいる外国人は含まれますか?

日本を主たる居住国とする永住者等の外国人は除かれるため、日本に住んでいる外国人の国内旅行は訪日外客数に含まれません。一方で、駐在員やその家族、留学生などの入国者・再入国者は含まれるとJNTOは注記しています。何を目的に数字を使うかによって、内訳を確認してください。

訪日外客数の最新の数字は、どこで確認できますか?

JNTO(日本政府観光局)が毎月、前月分の推計値を報道発表しています。統計ページには国籍別・月別の時系列データや今後の発表予定日も掲載されています。数字を引用するときは、出典を「日本政府観光局(JNTO)」と明記し、推計値か確定値かと発表時点を添えて使います。

自分の県に来ている外国人の数は、どうやって調べますか?

観光庁の宿泊旅行統計調査で、都道府県別の外国人延べ宿泊者数を確認できます。ただし単位は「人泊」で、1人が3泊すれば3と数えます。日帰りの訪問は含まれないため、日帰り客が多い地域では、自治体やDMOが独自に行っている観光入込客の調査も合わせて確認すると実態に近づきます。

訪日外客数と延べ宿泊者数は、比べてもいいのですか?

単位が違うため、そのまま比べることはできません。訪日外客数は入国した外国人旅行者の数、延べ宿泊者数は宿泊者の人数に泊数を掛けた延べ数(人泊)です。調査の対象や方法も異なるので、それぞれの推移や構成比を別々に読み、傾向を見比べる使い方が適しています。

出典・参考

  1. JNTO「訪日外客数(2026年8月推計値)」報道発表 — 訪日外客の定義(永住者等を除き寄港地上陸・通過上陸・船舶観光上陸を加える、駐在員・留学生等を含み乗員を含まない)、8月 3,098,900人(前年同月比9.6%減)・14市場で8月過去最高
  2. JNTO「訪日外客数(2025年12月推計値)」報道発表 — 2025年年間 42,683,600人(推計値・前年比15.8%増)、2024年 36,870,148人
  3. JNTO「2025年 国籍別/目的別 訪日外客数(確定値)」 — 総数 42,683,301人、観光客 38,962,366人・商用客 1,256,180人・その他客 2,464,755人、国籍別人数、注記(観光客に親族・友人訪問を含む、その他客の範囲)
  4. JNTO「訪日外客統計」 — 法務省発表の入国外国人総数はJNTO発表の訪日外客数と異なる旨の注記、引用時の出典表記
  5. JNTO「訪日外客数(2026年1月推計値)」報道発表 — 2026年1月 3,597,500人(前年同月比4.9%減)
  6. 観光庁「宿泊旅行統計調査 用語の解説」 — 延べ宿泊者数・実宿泊者数・外国人延べ宿泊者数(日本国内に住所を有しないもの)の定義
  7. 観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年・年間値(確定値))」報道発表資料 — 2026年7月6日公表。外国人延べ宿泊者数 1億7,992万人泊(前年比+9.4%、2019年比+55.6%)

公開 2026.10.15 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。

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