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ゴールデンルートGolden Route

読み: ごーるでんるーと別名: ゴールデン・ルート・定番ルート・東京・京都・大阪ルート・Golden Route Japan

東京から箱根・富士山周辺、名古屋を経由して京都・大阪へ抜ける、初めての訪日旅行者に多い定番の周遊行程の通称。法令上の定義はなく、旅行業界や観光行政で慣用的に使われる。

この用語の要点

  • 東京・富士山周辺・京都・大阪を結ぶ「初訪日の定番」行程の通称で、法令で定められた用語ではない
  • 観光庁の令和7年度調査では、訪問率は東京52.4%、大阪39.8%、京都38.4%。三大都市圏の都市が上位を占める
  • 観光白書(令和8年版)によると、2025年の外国人延べ宿泊者数のうち地方部は33.0%(速報値)。このところ3割程度で推移している
  • 地方にとってゴールデンルートは競合ではなく「入口」。ルート上の都市から1泊足せる距離と移動手段を示すのが現実的な誘客策になる
  • 訪日回数が増えた旅行者ほど定番以外に関心が向く傾向がある。リピーターと初訪日客で見せ方を変える

ゴールデンルートとは:初訪日の「定番の一本道」

ゴールデンルートは、東京に到着して箱根・富士山周辺を訪ね、名古屋を経由して京都・大阪へ移動し、関西から帰国する(またはその逆)という行程の通称です。東京・富士山・京都・大阪という「日本と聞いて思い浮かべる場所」を、新幹線を軸に1週間前後で回れるため、初めて日本を訪れる人や、旅行会社の団体ツアーで長く定番になってきました。

法律や制度で範囲が決まった言葉ではなく、旅行業界や観光行政で慣用的に使われる呼び名です。資料によって含める地域が少しずつ違うこともあるので、商談などで使うときは「東京〜京都・大阪の定番ルート」くらいの共通理解だと考えておくと安全です。

周遊ルート全般の考え方や、国が認定した広域観光周遊ルートについては周遊ルートで詳しく扱っています。

数字で見る:都市部への集中と地方部の割合

観光庁の令和7年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」(主要5空港で4,110人に対面調査)で、今回の旅行で訪れた都市を聞いた結果は次のとおりです。

都市訪問率
東京52.4%
大阪39.8%
京都38.4%
奈良15.4%
富士河口湖11.4%
箱根5.4%
名古屋5.4%

一人あたりの訪問都市数は約3.17都市でした。ゴールデンルート上の都市が上位に並ぶ一方、札幌(19.2%)や福岡(17.4%)のように、ルートの外にも1割を超える旅行者が訪れる都市があります。

宿泊で見ると、観光白書(令和8年版)によれば2025年の外国人延べ宿泊者数は1億7,787万人泊(速報値)で過去最高。そのうち三大都市圏(埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫の8都府県)が67.0%、それ以外の地方部が33.0%でした。白書は地方部のシェアを「このところ3割程度」と表現しています。2019年は地方部が37.3%だったので、旅行者の総数は増えても、泊まる場所の偏りはむしろ強まっている状態です。

こうした集中は、混雑やマナーの問題としてオーバーツーリズムの議論にもつながっています。

地方の事業者にとっての意味:競合ではなく入口

ゴールデンルートを「地方から客を奪う存在」と見ると、打ち手がなくなります。実際には、日本に来た旅行者の多くがこのルートのどこかを通る以上、地方にとってはもっとも人が流れている幹線道路です。そこからどう脇道に入ってもらうかが、誘客の現実的な考え方になります。

個人戦からチーム戦へ地域内で単独で集客する個人戦から、広域で連携して面で魅力を伝えるチーム戦への転換を示す図。個人戦地域内で単独で集客に挑む1施設・1体験では旅行者に見つけてもらいにくい旅行会社から見ても「1日分の行程」にならないチーム戦地域全体で広域連携し、面で魅力を伝える宿・食・体験・移動をつないで「行く理由」をつくる互いに送客し合い、ランドオペレーターにも提案しやすい「地方には世界に誇れる価値がある」――個の魅力を、地域の面として届ける(送客=チーム戦の要)
個人戦からチーム戦へ。単独の施設ではなく、周辺の宿・体験・交通と組んで「寄り道の1泊」を商品にする

ポイントは3つです。

  1. ルート上の都市からの距離と所要時間を示す: 「東京から2時間」「京都から日帰り可能、1泊すると朝の〇〇も見られる」など、既存の行程に足せるかどうかを旅行者や旅行会社が判断できる情報
  2. 移動手段まで含めて見せる: 駅から先の足がなければ、どれだけ魅力があっても行程に入りません。二次交通(二次交通)の案内や送迎の有無を明記します
  3. 1施設ではなく1泊分を売る: 宿・夕食・朝の体験をまとめて「1泊足す理由」にする。周辺の事業者と組むほど提案しやすくなります

「1泊足す」提案の作り方

旅行会社やランドオペレーターに提案するとき、「うちの地域に来てください」だけでは行程に入りません。相手が既存のゴールデンルートの旅程表に差し込める形で渡すのがコツです。

準備するもの

  • 起点となる都市(東京・名古屋・京都・大阪など)からのアクセスと所要時間
  • 1泊2日のモデル行程(到着時刻、夕食、翌朝の体験、次の都市への出発時刻)
  • 宿泊・体験・送迎をまとめた料金と、旅行会社向けのNET価格
  • 季節ごとの見どころと、混雑しない時間帯

例:京都と東京の間に1泊を差し込む

日程定番の行程1泊足した行程
4日目京都観光京都観光
5日目新幹線で東京へ途中駅で下車 → 送迎で山あいの宿へ、夕方に地域の体験
6日目東京観光早朝の散策・朝食 → 東京へ移動、午後から東京観光

旅行者から見れば移動日の一部を使うだけで、旅の印象に残る1日が増えます。旅行会社から見れば、行程全体を組み替えずに差別化ができます。この「組み替えなくていい」ことが採用の決め手になりやすい点です。

よくある誤解と、リピーターとの関係

「ゴールデンルートの旅行者は地方に興味がない」という誤解。 定番を回りたい初訪日客でも、移動の途中に無理なく寄れる場所があれば選択肢に入ります。問題は興味の有無より、情報と移動手段が旅程を組む段階で手元にあるかどうかです。

初訪日客とリピーターは分けて考えます。 令和7年度の観光庁調査では、回答者の約7割が訪日2回目以上のリピーターで、初めての訪日は30.3%でした。定番を一度回った旅行者は、次の旅行で別の地域を目指すことがあります。リピーターには最初から地方を目的地として、初訪日客にはゴールデンルートからの寄り道として、見せ方を変えると届きやすくなります。

東京や京都に負けない観光地をつくらないと、外国人は来てくれないのでは。

こうした声は珍しくありませんが、大都市と同じ土俵で比べる必要はありません。旅行者が求めているのは都市の代わりではなく、都市では得られない体験です。小さくても、定番ルートから「ここに1泊する理由」を一つ示せれば十分な出発点になります。

よくある質問

ゴールデンルートには、どの都市が含まれますか?

一般に、東京・箱根や富士山周辺・名古屋・京都・大阪を結ぶ行程を指します。法令で定められた用語ではないため、資料や話し手によって含める地域が多少異なります。商談などで使うときは、相手が具体的にどの範囲を想定しているかを一言確認しておくと話がずれません。

ゴールデンルートから離れた地域でも、インバウンドは呼べますか?

呼べる可能性はあります。観光庁の調査でも、札幌や福岡などルート外の都市に1割を超える旅行者が訪れています。鍵になるのは、ルート上の都市からの所要時間と移動手段をはっきり示し、1泊分の過ごし方を具体的に提案することです。リピーター向けには地方そのものを目的地として打ち出す方法もあります。

地方部に泊まる外国人旅行者の割合はどのくらいですか?

観光白書(令和8年版)によると、2025年の外国人延べ宿泊者数(速報値)のうち、三大都市圏を除く地方部は33.0%でした。白書は地方部のシェアを「このところ3割程度」としています。三大都市圏は埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫の8都府県を指します。

旅行会社にゴールデンルートへの追加を提案するとき、何を渡せばいいですか?

起点の都市からのアクセスと所要時間、1泊2日のモデル行程、宿泊・体験・送迎をまとめた料金(旅行会社向けのNET価格を含む)、季節ごとの見どころを一式にしておくと、相手は既存の旅程表に差し込むだけで検討できます。行程全体を組み替えずに済むことが、採用されやすさにつながります。

出典・参考

  1. 観光庁「令和8年版観光白書について(概要版)」(令和8年7月) — 2025年の外国人延べ宿泊者数1億7,787万人泊(速報値)、三大都市圏11,914万人泊(67.0%)・地方部5,873万人泊(33.0%)、2019年の地方部37.3%、「地方部はこのところ3割程度」、三大都市圏の定義(8都府県)p.7(図表I-24)
  2. 観光庁「令和7年度『訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート』調査結果」(令和8年4月) — 回答者の訪日回数(1回目30.3%、約7割がリピーター)p.2/訪問都市(東京52.4%、大阪39.8%、京都38.4%、奈良15.4%、富士河口湖11.4%、箱根5.4%、名古屋5.4%、札幌19.2%、福岡17.4%、一人あたり約3.17都市)p.3

公開 2026.10.18 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。

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