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キャッシュレス決済Cashless Payment
現金(紙幣・硬貨)を使わず、クレジットカード・デビットカード・電子マネー・QRコード(コード決済)などで代金を支払う方法の総称。事業者側は決済代行会社などと契約し、売上から手数料を差し引いた額が後日入金される。
この用語の要点
- 観光庁の令和7年度調査で「クレジット/デビットカードの利用」に困った旅行者は10.7%。令和5年度の7.0%から上昇が続いている
- カードで困った場所の1位は飲食店(32%)。困った内容は「カードが使えなかった」46%、「対応していなかった」「使えるかわからなかった」が各23%
- 「使えるかわからなかった」は、入口やレジに対応ブランドを表示するだけで減らせる
- 導入時は、決済手数料率だけでなく入金サイクル(締め日から入金までの日数)、振込手数料、端末費、対応ブランドを合わせて比べる
- 料金や規約は各社の公式ページで最新のものを確認する。数字は会社・業種・契約形態によって異なる
キャッシュレス決済とは:手段の種類
キャッシュレス決済は、現金以外で支払う方法の総称です。インバウンドの現場で関係が深いのは主に次の4種類です。
| 種類 | 仕組み | インバウンドでの位置づけ |
|---|---|---|
| クレジットカード | 後払い。国際ブランド(Visa・Mastercard 等)のネットワークで決済 | 欧米豪の旅行者を中心に主要な支払い手段 |
| デビットカード | 即時に口座から引き落とし | 仕組みはカードと同じ端末で受け付けられることが多い |
| 電子マネー・交通系IC | 事前にチャージして使う | 交通機関と合わせて使う旅行者もいる |
| コード決済(QR・バーコード) | スマートフォンのアプリで読み取る | 国・地域によって普及しているアプリが異なる |
最近は、カードやスマートフォンを端末にかざすだけのタッチ決済(非接触決済)も広がっています。暗証番号やサインを省ける場面が多く、会計が速いのが特徴です。
訪日客はどこで、何に困っているか
観光庁の令和7年度「訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート」(主要5空港で4,110人に対面調査)では、旅行中に困ったこととして「クレジット/デビットカードの利用」を挙げた人が10.7%で6位でした。令和元年度7.0%、令和5年度7.0%、令和6年度7.8%と推移し、令和5年度から上昇が続いています。
困った場所は、全体で飲食店が32%で最多。地方部だけを訪れた人でも飲食店が27%で1位でした。困った内容は次のとおりです。
| 困った内容 | 割合 |
|---|---|
| カードが使えなかった | 46% |
| カードが対応していなかった | 23% |
| カード使用可能かわからなかった | 23% |
一方で、同じ調査で「クレジット/デビットカードの利用」がいずれかの都市で便利だったと答えた人は91%にのぼります。多くの場所で使えることが当たり前になっているからこそ、使えない店が目立つ、と読むこともできます。
「使えるかわからなかった」は、設備がなくても情報の出し方で減らせる困りごとです。入口・レジ・メニュー・予約ページに、対応している決済手段のマークを出しておくだけで、注文してから払えないと分かる事態を防げます。
導入前に比べるべき4つの項目
決済サービスを選ぶとき、手数料率だけで比べると後で困ることがあります。次の4点をセットで確認します。
- 決済手数料: 売上に対して差し引かれる率。業種やブランド、契約形態で異なり、同じ会社でも条件によって変わることがあります
- 入金サイクル: 売上が口座に入るまでの日数と、締め日の考え方。月1回か、週1回か、申請すれば早まるか。小さな事業者ほど資金繰りに直結します
- 振込手数料・固定費: 入金ごとの振込手数料、月額費用の有無
- 端末費と対応ブランド: 端末の購入費やレンタル費、通信環境の要否。旅行者が使いたいブランドやタッチ決済・コード決済に対応しているか
具体的な料率・入金日・端末価格は、必ず各社の公式ページと契約書で最新の条件を確認してください。キャンペーン期間の条件が終了後に変わることもあります。
導入に使える国や自治体の支援は、年度によって有無や内容が変わります。地域の観光担当課や商工会議所、観光庁の公募情報を確認するのが確実です。
現場でよくある失敗
端末は入れたのに、外国のカードが通らないと言われた。結局現金をお願いすることになった。
こうした場面の原因はいくつか考えられます。契約しているブランドに旅行者のカードが含まれていない、通信が不安定、カード会社側の不正利用対策で取引が止まった、などです。導入時にどのブランドが使えるか、通らなかったときにどうするかをスタッフ全員で共有しておくと、現場で慌てずに済みます。
- 対応ブランドを表示していない: 旅行者は会計まで払えるか分からず不安なまま。表示だけで解決する問題です
- 予約時と現地で支払い方法が違う: 予約ページでは「カード可」と読めたのに、現地は現金のみ、という食い違いは強い不満につながります
- 山間部・屋外で通信が届かない: 体験の現場で決済する場合は、事前決済や受付での一括精算に切り替える選択肢も検討します
事前決済の方法としては、自社の予約システムやOTA経由の決済もあります。直販(ダイレクトブッキング)やOTA(オンライン旅行会社)の記事もあわせて確認してください。
似た言葉・関連する制度との違い
免税販売とは別の話です。 外国人旅行者への消費税免税販売は、決済手段にかかわらず、税務署長の許可を受けた免税店(輸出物品販売場)(輸出物品販売場)で行う制度です。キャッシュレス決済を導入しても免税店になるわけではありません。
「キャッシュレス対応=現金お断り」ではありません。 旅行者の中には現金を使いたい人もいます。地域の小さな店舗では、カード・コード決済・現金の複数の手段を用意しておくのが一般的です。
事前決済とキャンセル規定はセットで考えます。 予約時にカードで前払いを受けるなら、取消時にいつまで・いくら返金するかを、キャンセルポリシーとして予約ページに外国語でも明記しておく必要があります。
よくある質問
インバウンド向けには、どの決済手段から導入すべきですか?
観光庁の令和7年度調査では、旅行中に困ったことの中でクレジット/デビットカードの利用が10.7%を占め、困った場所の最多は飲食店でした。まずは国際ブランドのクレジットカード(タッチ決済を含む)に対応し、そのうえで自店に来る国・地域の旅行者が使うコード決済を追加する、という順番が検討しやすいでしょう。
決済手数料はどのくらいかかりますか?
手数料率は決済会社・業種・ブランド・契約形態によって異なり、キャンペーンで一時的に変わることもあります。ここでは数字を挙げず、各社の公式料金ページと契約書で最新条件を確認することをおすすめします。比べるときは料率だけでなく、入金サイクル、振込手数料、端末費、月額費用も合わせて見てください。
外国のカードが通らなかったときは、どうすればいいですか?
別のカードや別の決済手段(コード決済・現金)を案内するのが一般的です。原因は対応ブランドの範囲外、通信不良、カード発行会社側の取引制限などさまざまで、店側では判断できないこともあります。代替手段と案内の言い回しを、多言語の案内カードにしてレジに置いておくとスムーズです。
キャッシュレス決済を導入すると免税店になれますか?
なれません。消費税の免税販売は、所轄の税務署長の許可を受けた輸出物品販売場(免税店)が行う制度で、決済手段とは別の手続きです。免税販売を検討する場合は、国税庁の案内を確認し、所轄の税務署に相談してください。
関連する用語
出典・参考
- 観光庁「令和7年度『訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート』調査結果」(令和8年4月) — 調査概要 p.1/クレジット/デビットカードの利用で困った割合 10.7%(6位)p.4、4か年推移(R1 7.0%・R5 7.0%・R6 7.8%・R7 10.7%)p.5/便利だと感じた割合91% p.9/困った場所(飲食店32%、地方部のみ訪問者27%)p.23/困った内容(使えなかった46%、対応していなかった23%、使用可能かわからなかった23%)p.24
- 観光庁「観光地等の外国人対応の推進」 — 受入環境整備の施策としてキャッシュレス環境等の改善が挙げられていること、公募情報・相談窓口へのリンク
公開 2026.10.18 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。
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