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リピーター(訪日回数)Repeat Visitors

読み: りぴーたー(ほうにちかいすう)別名: 訪日リピーター・リピーター率・訪日回数・来訪回数・再訪客・Repeat Visitors

日本を訪れるのが2回目以上の外国人旅行者。観光庁のインバウンド消費動向調査では「来訪回数」「訪日回数」として集計され、1回目・2〜5回目・6回目以上などの区分で、訪問先や消費額との関係が分析されている。

この用語の要点

  • 2025年のインバウンド消費動向調査(全目的)では、日本への来訪が「1回目」の人は35.1%。残る約3分の2はリピーター
  • 観光・レジャー目的の2024年データでは、三大都市圏を訪れず地方部だけを訪問した人の割合が、1回目8.8%→2〜5回目27.0%→6回目以上34.1%と高まる
  • ただし国・地域で傾向は違う。台湾・香港はリピーターが約9割、米国は初回訪問が68.8%で、回数にかかわらず三大都市圏中心の訪問が多い
  • 1人当たりの消費単価は初回訪問が最も高い。回数が増えると単価が下がって見えるのは、消費単価の低い傾向にあるアジア圏の比率が上がるためと観光庁は分析している
  • リピーターを狙うなら、自分の地域に来ている国・地域を確かめてから打ち手を選ぶ

訪日リピーターとは

訪日リピーターは、日本を訪れるのが2回目以上の外国人旅行者を指す言葉です。観光庁の「インバウンド消費動向調査」では、空港などで旅行者に「今回が何回目の来訪か」を尋ね、その結果を国籍・地域別に公表しています。

2025年年次報告書(全目的)では、日本への来訪回数の構成は次のとおりです。

来訪回数割合
1回目35.1%
2回目14.2%
3回目11.6%
4〜9回目24.1%
10回目以上15.0%

初めての訪日は約3人に1人で、残りはリピーターです。同じ報告書では、前回の来訪時期が「1年以内」という人が38.7%で最も多く、短い間隔で何度も来ている層がいることも分かります。

なお、訪日外客数(JNTOが発表する入国者数)は「入国した回数」の合計で、同じ人が年に3回来れば3人と数えます。リピーターの多い国・地域ほど、外客数の数字と実際の人数の差が大きくなる点に注意が必要です。

国・地域によってリピーター率は大きく違う

観光庁のトピックス分析「訪日外国人旅行者(観光・レジャー目的)の訪日回数に関する分析」(2024年暦年確報値)では、アジア圏はリピーター比率が高く、欧米豪は初回訪問が中心だとまとめられています。

国・地域1回目2〜5回目6回目以上
全国籍・地域35.3%42.1%22.6%
香港9.9%39.1%51.0%
台湾13.4%46.5%40.2%
韓国22.1%55.7%22.2%
中国44.9%38.9%16.2%
米国68.8%26.4%4.8%
オーストラリア62.3%32.5%5.1%

香港は6回目以上が5割を超え、台湾もリピーターが9割近くを占めます。一方で米国やオーストラリアは初めての訪日が6割以上です。「インバウンドはリピーターが多い」とひとまとめにせず、どの国・地域の話かを必ず添えて読む必要があります。

訪日回数が増えると、地方へ向かうのか

同じ分析では、地域調査のデータを使って、訪日回数別に「どこを訪れたか」を3パターンに分けています。

訪日回数三大都市圏のみ地方部のみ三大都市圏と地方部の両方
1回目49.6%8.8%41.5%
2〜5回目48.2%27.0%24.8%
6回目以上40.9%34.1%25.0%

初回の訪日で地方部だけを訪れる人は1割未満ですが、回数が増えるにつれその割合は高まり、6回目以上では3割を超えます。全体としては「リピーターほど地方へ行く」傾向が見られます。

ただし、国・地域別に見ると話は単純ではありません。

  • 韓国: 1回目は三大都市圏のみの訪問が最も多いが、回数が増えるほど地方部のみの訪問が増え、6回目以上では56.6%
  • 台湾: 初回から地方部を含む訪問が過半を占め、地方部が重要な訪問先になっている
  • 中国: 回数が増えるほど三大都市圏のみの訪問割合が高まり、6回目以上では60.2%。観光庁は、回数の増加が必ずしも地方部訪問の拡大につながっていないと分析している
  • 米国: 回数にかかわらず三大都市圏中心の訪問の傾向が強い

つまり「リピーターは地方に来る」は、東アジアの一部の市場では当てはまり、別の市場では当てはまりにくい傾向だと理解しておくのが正確です。

地域の事業者にとっての意味

個人戦からチーム戦へ地域内で単独で集客する個人戦から、広域で連携して面で魅力を伝えるチーム戦への転換を示す図。個人戦地域内で単独で集客に挑む1施設・1体験では旅行者に見つけてもらいにくい旅行会社から見ても「1日分の行程」にならないチーム戦地域全体で広域連携し、面で魅力を伝える宿・食・体験・移動をつないで「行く理由」をつくる互いに送客し合い、ランドオペレーターにも提案しやすい「地方には世界に誇れる価値がある」――個の魅力を、地域の面として届ける(送客=チーム戦の要)
個人戦からチーム戦へ。リピーターに「もう一泊」を選んでもらうには、地域ぐるみで滞在の理由を増やす

リピーターは、定番の観光地をすでに一度回っています。次の旅行では、前回行けなかった地域や、テーマのはっきりした体験を目的に動く人が増えます。2025年の消費動向調査でも、「次回日本を訪れたときにしたいこと」で、今回実施した割合より次回したい割合が高い項目として、温泉入浴、自然体験ツアー・農山漁村体験、四季の体感などが挙がっています。

事業者が取れる行動は次のとおりです。

  1. 自分の地域に来ている国・地域を確かめる。 都道府県や市町村の宿泊統計、DMOの資料、自分の予約データの国籍を見る。リピーターの多い市場から来ているなら、リピーター向けの打ち出しが効きやすい
  2. 「2回目以降の人向け」の見せ方を用意する。 初訪日客には有名観光地からの寄り道として、リピーターには地域そのものを目的地として紹介する。季節ごとの違いを見せると、再訪の理由にもなる
  3. 一軒で完結させず、地域で滞在をつくる。 体験・食事・宿・移動を近隣の事業者と組み合わせ、半日ではなく一泊以上の過ごし方を提案する
リピーター向けといっても、うちの体験は初めての人と何も変わらないのでは。

商品そのものは同じでも構いません。変えるのは見せ方です。初めての人には「日本らしさ」を、何度も来ている人には「この土地でしかできないこと」や「前回とは違う季節」を伝えると、同じ体験でも響き方が変わります。

消費額の読み方に注意

トピックス分析の全国籍・地域の数字では、1人当たりの消費単価(2024年)は1回目が260,854円、2〜5回目が195,136円、6回目以上が217,666円で、初回訪問が最も高くなっています。

これを見て「リピーターはお金を使わない」と考えるのは早計です。観光庁は、2回目以降の訪問者の国籍構成で、欧米豪に比べて消費単価が低い傾向にあるアジア圏の比率が高まることが原因だと分析しています。実際、国・地域別に見ると、韓国・香港・中国・東南アジアでは、訪日回数が増えるほど消費単価が上がる傾向が示されています。

平均値だけを見ると、構成の違いによって逆の結論が出ることがあります。数字を使うときは、全体の平均と国・地域別の両方を確認するのが安全です。

よくある質問

訪日客のうちリピーターは何割くらいですか?

観光庁のインバウンド消費動向調査2025年年次報告書(全目的)では、来訪が1回目の人は35.1%で、残る約3分の2がリピーターです。観光・レジャー目的に限った2024年の分析でも、1回目は35.3%でした。ただし香港は1回目が約1割、米国は約7割と、国・地域によって大きく異なります。

リピーターは本当に地方へ行くのですか?

全体では、訪日回数が増えるほど地方部だけを訪れる人の割合が高まり、6回目以上では34.1%になります。ただし韓国のように回数とともに地方部訪問が増える市場もあれば、中国のように三大都市圏のみの訪問割合が高まる市場、米国のように回数にかかわらず都市圏中心の市場もあります。

リピーター向けに、特別な商品を作る必要がありますか?

新商品が必須というわけではありません。リピーターは定番を一度経験しているため、地域そのものを目的地として紹介する、季節ごとの違いを見せる、近隣の宿や食事と組み合わせて滞在型にする、といった見せ方の工夫で十分に対応できる場合が多くあります。

自分の地域に来ている旅行者がリピーターかどうか、どう調べればよいですか?

国全体の傾向は観光庁のインバウンド消費動向調査で分かりますが、地域単位の訪日回数は公表されていないことが多いです。まずは自分の予約データの国籍を見て、観光庁の国・地域別の傾向と照らし合わせます。体験の最後に、日本は何回目かを聞いて記録しておくのも、手軽で確実な方法です。

出典・参考

  1. 観光庁「【トピックス分析】訪日外国人旅行者(観光・レジャー目的)の訪日回数に関する分析」(2024年暦年確報値) — 国籍・地域別訪日回数、訪日回数別訪問パターン(地方部のみ訪問 8.8%→27.0%→34.1%)、訪日回数別消費単価と国籍構成による説明 p.1/韓国 p.2、台湾 p.3、香港 p.4、中国 p.5、東南アジア p.6、米国 p.7
  2. 観光庁「訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2025年 年次報告書」 — 来訪回数(1回目35.1%・2回目14.2%・3回目11.6%・4〜9回目24.1%・10回目以上15.0%)、前回の来訪時期(1年以内38.7%)p.3、今回したことと次回したいこと p.24
  3. 観光庁「インバウンド消費動向調査」 — 調査の概要と、訪日回数・地方部訪問に関するトピックス分析の一覧

公開 2026.10.19 / 執筆: 一般社団法人Kachisai 事務局。定例会で会員事業者から受けた質問と、上記の一次情報をもとに作成しています。内容の誤りや古くなった情報はお問い合わせからお知らせください。

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